理事長所信

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理事長
第19代 理事長

加治 浩和

HIROKAZU KAJI

至誠一貫〜誠意を尽くし、まちを動かす〜

はじめに

 同じ広域圏内にあった新湊青年会議所と射水青年会議所は英知と勇気と情熱を胸に、如何なるときも青年らしく、我が郷土の限りない発展と、明るい豊かな社会を築くために率先して行動することを誓い、新生射水青年会議所として統合・設立しました。これまで永きにわたり幾多の試練を乗り越え、数々の運動を展開し、地域の発展に貢献された歴史と伝統は今も受け継がれ我々の原動力となっています。
 人口減少、少子高齢化により活動の方向性が変わってきた一方、新型コロナウイルス感染拡大による活動の制限、誰もが目を覆いたくなるような戦争などが起こり、取り巻く環境は日々変化しています。そんな先が見通しにくい中にいようとも如何なる時も市民が夢と希望に溢れ、住み続けたいまちとして輝くためには市民と一緒に豊かな射水の未来を描き、英知を集結し、何事にも恐れず一人ひとりが率先して行動する確かな一歩を踏み出していかなければなりません。

青年会議所という組織の一員として

 我々は射水青年会議所という組織の一員として日々明るい豊かな射水を目指し、誰よりも地域のことを考えている青年団体ですが、一人ひとりの自覚はどうでしょうか。市民からの評価は絶大なるものでしょうか。もっと多くの市民から我々の運動活動に共感を得なければなりません。そのためにも一人ひとりが射水青年会議所を心から愛し、組織の一員であるという自覚を持つことで人としての品位を磨く必要があると考えます。また青年会議所がなぜ地域に必要なのか、なにをもたらす団体なのかを考える時間も必要だと考えます。一人ひとりが存在意義や目的に納得してこそ組織としての力を発揮できるのです。一人ひとりの日々の行動と目的意識を持った運動活動は市民に伝わり、その積み重ねから信頼を得て地域から必要とされたとき、我々の価値は更に高まり、明るい豊かな射水を実現できる射水青年会議所となるのではないでしょうか。今こそ組織の一員として品位と目的意識を高め、社会により良い変化をもたらし、如何なる時も市民から必要とされるJAYCEEへと邁進します。また、明るい豊かな射水を目指し日々運動活動を行う上で一番大切なのはメンバー自身が明るく豊かであることが前提にあると考えます。自分自身がなりたい姿を鮮明にすることで日々の行動も変わり自己成長を求めるようになります。射水青年会議所としても目指すべきビジョンを鮮明にし、足並みをそろえることでより強い組織力を備えることができます。しかし、ただビジョンを見出しても意味はありません。今、地域には何が必要なのか、求められる姿とは何か、JAYCEEとしてどうあるべきなのかをステークホルダーと共に語り合い、より鮮明なビジョンを導き出す必要があります。より強い組織には明確なビジョンと自己成長に励む個人が必要です。

確かな運動をつくる

 私たちが住み暮らす射水市は豊かな海を中心に新湊大橋や海王丸パーク、富山新港など日本海側有数の観光拠点と港湾物流拠点がハード整備され、山側には里山に囲まれ豊かな自然と農地の他に大学もある交流拠点と、観光・物流・交流が行き交う恵まれた立地となっています。各地域には人々が受け継いできた伝統芸能や行事が多く、歴史と文化が残り、地域のつながりを大切に思う方々が住み暮らす魅力あふれるまちです。これだけ魅力あふれるまちではありますが日本全体が抱える人口減少・少子高齢化や地域経済の縮小の波は確実に押し寄せており、より鮮明に誰もが住み続けたいと思う明るい豊かな射水市をつくらなければなりません。明るい豊かな射水を実現していくには市民を巻き込んだ事業に取り組むことは必要不可欠であり、これまでの長い歴史の中でも数々の手法を用いて数多く事業が行われてきました。しかし、今まで行ってきた事業はどれだけまちに溶け込み市民に浸透し必要とされてきたでしょうか。いつしか「JCしかない時代からJCもある時代」という言葉をよく耳にするようになりましたが、我々青年会議所はまちづくりの先駆者として常に未来を見据え多様性を備えた運動を起こし続けなければなりません。我々が住み暮らす射水市には有形無形にかかわらず多くの魅力があり、その一つひとつが明るい豊かな射水の実現の懸け橋となる可能性を秘めています。価値観が多様化する現代において他の地域にない魅力とは何かを共に住み暮らす人々と導き出し、射水が住み暮らしてみたいまちとして選ばれる必要があると考えます。正に疲弊した世の中を照らす光となるように市民と手を取り合い、魅力を核に地域により良い波を起こし大きなうねりとなる確かな運動をつくり発信していく必要があります。

責任世代として

 AIやIoT技術は進化し続け社会環境や生活環境にとどまらず、行政においてもDXを成長戦略と掲げるまで日々の生活に溶け込んでいます。SNSを使い誰もが気軽にまちの魅力を発信したり告知や宣伝に使用したりするなど若い世代をターゲット層と考えた際には便利で確かな広報戦略として重宝しますが、便利な一方で誰もが気軽に友人知人の枠を超え、見知らぬ人とも気軽にコミュニケーションが取れることで子どもたちが事件に巻き込まれたり、リアルないじめではなくSNS内での誹謗中傷により自殺に追い込まれたりするなど社会問題になっていることもまた事実であります。ますます進化を続けネット社会にリアルを求める時代に突入すると言われる今、責任世代こそITリテラシーを学び、子どもたちを見守る必要があると考えます。また、組織や社会、そして家庭でも責任的な立場となっていく中で人と寄り添いお互いを認め合い共生していくことが重要になってきます。我々責任世代が地域や社会でも人を思う心を大切にインクルーシブな社会を実現していく必要があります。

新時代に立ち向かう心を育もう

 生活様式の変化と価値観の多様化によりひと昔前と比べると子どもたちを取り巻く環境も大きく変化してきました。インターネットや携帯端末の普及により知りたい情報は国境を越え世界中から誰もが瞬時に得ることができ、通信技術の発展は時間や距離の制約をなくし新しい価値や文化を生み出している一方、労せず大量の情報を得たり疑似体験もできたりすることから実際の行動や体験をしない傾向が強まり、自然環境や人との直接的な触れ合いは薄れ、他人との関わりを持ちたがらない傾向に向かっています。また、個を主張しすぎるがあまりネット上では見知らぬ人までも安易に攻撃し、子どもにとって大切な情操教育上の問題になっています。変化が激しく多くの課題が溢れる子どもたちには何が必要でしょうか。今後待ち構える多様性を含んだ情報化社会に向けて子どもらしい旺盛な好奇心と何事にも果敢に挑戦する心を育むことが必要だと考えます。好奇心は子どもたちに考える力と行動に移す力を生み、何事にも挑戦することで多くの経験と確かな知識を養うことができます。日本人が持つ道徳心を大切にこれからの新時代を築く力を備えた子どもたちを青年会議所だからできる切り口で育成して参ります。

国際交流

 青年会議所は世界中にネットワークのある組織であり100カ国以上に4,500を超えるLOMが存在し、15万人以上の志を同じくする多くの仲間たちが「明るい豊かな社会」の実現に向け日々活動しています。その中でも射水青年会議所は国際理解を深め世界の繁栄と平和に寄与することを目的として古くから台湾中正國際青年商会、韓国西仁川青年会議所、シンガポールオーキッド青年会議所の3LOMと姉妹提携を結んでいます。
 先達が長い歴史の中で創り上げてこられた限りない友情と深い信頼関係はここ数年不可抗力により対面での交流が制限されていた中でも失われるものではありません。誰もが国際情勢に不安を抱える現在において青年会議所だからできる恒久的な世界平和を実現するためにもこの伝統を守り引き継いで参ります。

会員拡大

 40歳で卒業を迎える青年会議所では会員拡大は最重要活動の一つであります。全国では29名以下のLOMが60%を占め、会員数も10年で20%程度減少しています。社会をより良くする運動をつくることを最重要目的としている我々としてはこれからもまちにより良い運動を起こし続け、日々行う運動活動の継続と射水青年会議所の発展のためにも会員拡大はLOM一体となって全員で取り組む必要があります。この状況を理解し、一人ひとりが当事者として真剣に考え、我々こそがまちづくりの先駆者だという信念を持って会員拡大に励みます。そのためには一人ひとりが射水青年会議所の会員であるという自覚を持ち、魅力あふれる青年となり、より一層組織力を高めまちの発展に努めなければなりません。また、新たに迎え入れる仲間には青年会議所の存在意義を深く理解してもらい、実践を交え多くの発展と成長の機会を経験する中で強い絆で結ばれ明るい豊かな社会を実現していく素晴らしい人財へと共に成長していきます。

組織運営

 健全な組織運営をもたらすために定款や運営規定が存在し、我々が行う全てにルールが存在しています。大切なのはそのルールを把握し全員が順守することです。ルールは健全な組織運営を守るものであり決して運動や活動を妨げるものではありません。時代の変化によりルールに縛られ日々の運動活動が円滑に行えないのであれば見直す必要があり、古き良きルールと新しいルールを融合させることで最大限の効果を発揮できる円滑な組織運営を行う必要があります。特に時間は有限であり決められた期日を守り組織としてチェック体制を整え正しい組織運営を行うことで組織もメンバーも成長します。また全ての活動はメンバーからの年会費で賄われていますので財政審査会を通して会員から信頼と納得を得られる健全な予算執行を行う必要があります。運営幹事会と財政審査会を組織しコンプライアンスを順守し規律ある組織運営を行います。さらに本年は公益社団法人に移行して10年目を迎えるにあたり今一度公益の必要性と地域とメンバーに最善の在り方を検証し、この歴史と伝統ある射水青年会議所の限りない発展と持続可能な組織運営ができるよう努めて参ります。

住み続けたいまちとして

 近年、記録的豪雨や地震など自然災害は年々頻度も増え、被害規模も大きくなっています。私たちが住み暮らす富山県は幸いにも比較的災害が少ない傾向にありますが、我々射水青年会議所は有事の際にいち早く支援を行うために射水市、射水市社会福祉協議会と3者間での災害時における協力に関する協定を締結しています。また、2022年8月には友好JCである一般社団法人飛彈青年会議所と災害に係る協力体制に関する協定を締結しました。青年会議所のスケールメリットを活かし富山ブロック協議会や北陸信越地区協議会とも災害協定を毎年締結しています。いつ何時災害に見舞われてもおかしくない状況で有事の際に素早く対応するためにも率先して防災訓練に参加する必要があると考えます。また、住み続けたいまちとして輝くためには我々の運動活動を発信して市民に広く届けることも大切です。どれだけ災害に備えたり良いと思う事業を行ったりしても市民に協力・理解していただかなければ住み続けたいまちと思われないばかりか、より良い変化をもたらすこともできません。ホームページはもちろん、各SNSやメディアを活用して私たちの日々の行動を発信することで市民に認知と共感を生みだす効果的な広報活動を行って参ります。

失敗を恐れず新しい視野を積み重ねよう

 我々は日々明るい豊かな射水を目指し活動しています。青年らしい視点で物事を考え、これまでに培った英知から本質を見極め、情熱を注ぎ、修練ともいわれる時間を超えた先に一つの事業を行えています。これこそが青年会議所の本質であると考えます。しかし、議案を通すことを優先して中途半端な議案になってはいないでしょうか。過去の手法に囚われてしまい新しいことに挑戦出来ているでしょうか。時代の移り変わりが激しい世の中になっても今までと何ら代わり映えのない議案になっていないでしょうか。失敗を恐れ、無難を選んでいては本来得られる成長も失います。行動した先にある答えを知れるのは本気で議案に向き合いやりきった時です。失敗は成長の礎になり、成功は失敗の積み重ねにあります。どれだけ完璧にこなしても100%の成功はありえません。これからの時代は更に一人ひとりが新しい視点で物事を見極め、情熱を持って果敢に取り組み、新たな英知を積み重ねていくことで市民にもメンバーにもより輝く未来が開けていけるのです。

おわりに

 JCは好きですか?私は「大好きです」と即答できるようになりました。この青年会議所は多くの機会と経験を私に与えてくれました。「人は人でしか磨かれない」という言葉がありますが前提には受け入れる心が必要だと考えます。この受け入れる心とはみんなのために自分が成長したい、みんなで創り上げた事業をやり切りたい、自分を信じて支えてくれたメンバーのためにもっと期待に応えたい、そんな主語が自分ではなく自分の周りの方であれば必然的に人の意見を聞き入れ成長の糧にし、与えられた役職になりきることができるのです。みんなにもその心を開いてほしく、この心を開くことがJCで例える「スイッチが入る」瞬間なのだと思います。期待に応えたいという思いで人は変われます。青年会議所は変われる機会を提供してくれます。自ら発展と成長の機会を取りに行き、誰よりも能動的に何にでも果敢に挑戦するJAYCEEになって欲しい。自分が変われたからこそ、変わって気付いたことがたくさんあったからこそ、みんなにも同じ経験をして欲しいと切に願っています。一朝一夕では確かな運動は起こせませんが、この青年会議所という団体であれば、きっとまちに溶け込み市民に浸透し必要とされる事業を巻き起こし、射水市に青年会議所があってよかったと言われる団体になれるでしょう。そう信じて至誠一貫を胸に誠意をもって日々確かな一歩を共に歩んで行きましょう。

常に誠意をもって今取り組まなければならないことを精一杯やる。たとえそれが自分の希望に沿わないことであっても意味や楽しみを見出し、心を込めて誠実に愚直なまでにやり抜けば必ず自分がやりたいこと、自分にしか果たせない役割が見つかります。


英知と勇気と情熱を胸に射水青年会議所で己を磨き、いざ!地域に明るさと豊かさをもたらすことができる真のJAYCEEへ!!