2017年度理事長所信

理事長 本郷 勝士

「結い」の心 ~人とのつながりが未来を創る~

はじめに

 今、日本社会はバブル経済の崩壊後、失われた20年を経て、アベノミクスや東京オリンピックの誘致等、経済回復の兆しが見えている一方で、地方では今後さらに深刻な少子高齢化、人口減少という大きな社会問題を抱えています。そういった問題解決の一つとして政府から地方創生の方向性が示され地方の自立を求められている中で、我々の普遍的な理念である「明るい豊かな社会の実現」をどのように達成すべきなのでしょうか。そのためには10年後、20年後の地域や国家における社会、政治、経済の諸問題に対して、主体的に捉え考えることのできる我々の世代が今まで以上に責任を持たなければなりません。自分がやらなくても誰かがやってくれるだろうではなく、率先してお互いを思いやり助け合うことから感謝の気持ちが生まれ、人とのつながりを持つことで問題を解決することが出来、私たちが愛する射水の未来を創造していけると考えます。だからこそ我々はJAYCEEとして青年らしく英知と勇気と情熱を持って未来の射水をつくり上げていく時ではないでしょうか。

組織の成長がもたらす力

 私たちが10年後を見据えたうえで最重要課題であるのは会員拡大であります。毎年射水青年会議所が行っている事業は、地域の為に一つとして欠かすことが出来ない事業であると感じています。そしてさらに地域の大きな問題に直面したときには、私たちは新しいことに挑戦し、問題を解決していかなければなりません。しかし、私たちの一人ひとりの行動には限界があります。だからこそ、このまちの未来を考えるJAYCEEがさらに多く集まり、ひとつひとつの活動に対するつながりを深めながら、組織としての力を増やしていく必要があります。
 また、一人ひとりは射水を支える青年経済人として、このまちを牽引していく地域のリーダーとして成長していかなければなりません。射水青年会議所メンバーとしてあるべき姿を学び、今までよりも多くのつながりや経験を得ることによって一人ひとりが成長し、組織としての力にさらに厚みが増します。そして、生まれた大きな力がさらに地域の方々からの共感を得ることが出来るようになり、このまちの未来に大きな力を与えることができると考えます。

地域に必要とされるリーダーとして

 未来の射水には何が必要なのか。その中の一つに、私たちが地域のリーダーとして、自ら必要なことを考え、実行し、自己研鑽を重ねて、さらに資質を高めていく必要があると考えます。青年会議所は大人の学校であると言われます。青年会議所において「修練」や「指導者開発」といった言葉があるように、自発的に己の修練を行う場であるということです。そこで様々な運動や事業を通じて多くの機会が与えられ、その成功や失敗から学びを得ることができます。そこから奉仕の心や感謝の気持ちが生まれていきます。
 組織を運営していく中で活用次第で大きく価値を上げることが出来るのは人という資源であると考えます。人には無限の可能性があります。その可能性を開花させるには人材育成と、人の心をつかむリーダーシップが必要だと考えます。
 自分さえよければいいのではなく、関わるすべての人たちの物心両面の幸福を追求する利他の心で行動し、人として正しいことを基準に判断する徳を身につけ、高め続けることで組織に大切なつながりが生まれ、そういった組織のもとに人は集まり、より強い組織へと変化すると考えます。
また、射水青年会議所の活動に関する情報を射水市内外へ発信していくことは、つながりをつくる重要なツールであると考えます。日々新しい技術が生まれ今後もいろいろな目的に合わせた情報ツールが生まれていくと考えます。発信の方法や目的に合わせた発信を行うことができた時、相手への伝わり方に違いが生じて大きな力となります。その違いを学び、実践することで、組織の力をさらに高めます。
 このような過程を経て地域のリーダーとして射水を愛し、心からこのまちをよくしたいと願い行動できる人間力が開発され、一人ひとりが地域社会に必要な人材へとなっていくことこそが青年会議所の運動であり、大きな存在価値であると考えます。

地域のつながりが創る一体感

 まちづくりとは誰のためにあるのでしょうか。それは射水に住み暮らす自分たちのためにあります。自分たちの生活がよくなる為であったり、子どもたちが将来生活しやすい環境を与える為であったりとさまざまなことが考えられますが、それぞれがその必要性を感じて初めて行動につながります。そして、まちを良くしていくためにはそこに住み暮らす人たちが協力し行動していかなければなりません。まちのあるべき姿を伝え、共通認識を生むことで自分たちのまちは自分たちで創るという行動にかわります。
 すぐ目の前にある問題や課題には気が付きますが10年後の未来を見据えた時に今からやっておかなければならないことには気が付かなかったり見えにくかったりするのではないのでしょうか。しかし今から行動していかなければ間に合わないことがあると考えます。そしてなぜ今から行動していかなければならないのかを突き詰め運動を展開することで地域に共感を生み、人とのつながりが深まり運動を展開していけると考えます。 一体感を醸成するために運動を展開する際には射水市全体を一つとして進めることは長い年数をかけて継続して行うことで徐々に浸透し効果を発揮しますが、一つの事業においては小さなコミュニティの単位で行動していくことが一人ひとりの意識を変化させることに効果的であると考えます。それぞれの地域で共感を得ることができれば、成功事例として今後水平展開していくことができます。そうすることで地域同士がさらに協力して射水市全体として一体感をもった地域のつながりができていくと考えます。10年後に目の前にきてもどうすることもできない課題に立ち向かうのではなく、今からしっかりと将来を見据えこの地域の一人として自分たちの意識を変化させていくことが私たちの責務であると考えます。
 

地域の大人が創るつながり

 いつの時代も子供たちの成長を支えるのは家族であり地域の大人であります。日々の生活の中で子供たちのふとした行動を見守りながら、損得で答えをだすのではなく善悪で判断することの大切さを伝えていく必要があると考えます。しかし、核家族化や共働きにより、家族が子供たちを見守っていく環境が弱まってきているのではないのでしょうか。さらに地域のつながりが希薄になり周りの大人たちが無関心になってしまったとしたら、子供たちにも大きな影響を与えてしまうのではないのでしょうか。私たち大人が子供たちをしっかりと見守り、地域のつながりを強くして子供たちを支え成長していく環境をつくっていく必要があると考えます。
 現在の子どもたちは、自分で考えて答えを導き出さなくても、他人が蓄積した情報をインターネットを通して瞬時に得ることが出来ます。それは決して悪いことだけではなく、興味関心があることに対して深く見識を高めることや多様な意見を知ることができます。しかし、例えば人とのコミュニケーションには正解などありません。そういった答えがない問題にはインターネット上の情報は答えを出すヒントにはなりにくく、子どもたちにとって難しいものに感じて心を閉ざしてしまったり、簡単にあきらめてしまったりしてしまうのではないのでしょうか。その時々に応じた対応を自分で考え行ったとき、その中には失敗することもあります。しかし、失敗したとしてもそこからその人との関係を築いていかなければなりません。そうした中で生きていくことは時には苦しいことや辛いことも経験するはずです。そんな時に家族や友達、周りの人に支えられることで自分が一人で生きているのではないと気づき、感謝の気持ちが芽生えると考えます。
 答えのない未来を生き抜く子供たちには、決して一人で生きているのではなく、周りの人たちに支えられていることを感謝し仲間の大切さを感じながら、人生の中で何度も直面する大きな壁を乗り越えて人生を歩んでいってもらいたいと願っています。

組織運営の心

 青年経済人として大切なことの一つに、時間や決められたことを守るということがあるのではないのでしょうか。どんなにすばらしい企画を考えたとしても、期限を遅れてしまっては意味がありませんし、決められたことを守ることで、共通認識が生まれ、より綿密な連携につながってくると考えます。
 事務局では多くの諸会議の設営をはじめ、射水青年会議所全体として行うべき事業を多く担当しています。その際には、事前に準備をいかに行っていくかが大切であり、それぞれの個々の活動が円滑に行えるかに影響を与えます。各委員会との連携や連絡を効率よく行うために運営幹事会を活用していきます。そして、年に3回おこなわれる総会は、自分たちの進む方向を決める大切な場であると同時に、周知を図る絶好の機会となります。私たちは、おもてなしのこころを持って、その大切な場を設営し、しっかりと私たちの思いや考えを伝えることが大切です。そして、さらにより良い関係を築いていくために、私たちは相手に対して敬意と感謝の気持ちを持って日々の活動を行っていかなければなりません。
 また、私たちの活動はほとんどが自らの会費によってまかなわれています。会員数が減少すれば必然的に経費面において活動の範囲が狭まります。しかし、2013年に公益社団法人となり、どんなに予算が変わったとしても毎年公益性を保っていく責任があります。そして、財政審査会は審査機関として大きな役割を担っています。外部資金を導入する際には目的をしっかりと考え、決められたルールを守りながら行動していくことが大切です。また、公益性のある事業では外部を巻き込んでいきながら展開していく為、コンプライアンス等もしっかりと確認されて活動していかなければなりません。将来公益性を高めて活動していくことで組織を未来につなげ発展させていくことができます。

つながりが平和を創る

 国際社会において他国との交流に参加することはたとえ言葉が話せなくても重要だと考えます。なぜなら恒久的世界平和を望んだとき、私たちにできることは他国の文化、歴史、考え方、風習などさまざまな違いを学び、理解し、人と人との交流を通じて日本のことをもっと知っていただき、おもてなしの心を持って結びつきを強くすることだと考えます。コミュニケーションを図り、相手のことを知ろうとすることで、人との心のつながりを持つことが出来ると考えます。そして、結びつきを深めることで友情が芽生え、国家間の関係にかかわらず、人とのつながりが友好な関係にかえてくれると考えます。そして、長い年月を経ることで人とのつながりが国家間を超え網目状に広がり、恒久的世界平和が実現すると信じています。
 

結びに

 感謝の気持ちを持つことは時代を問わず非常に大切なことだと思います。感謝の心があって初めて物を大切にしようとする気持ちも謙虚な心も生まれてきます。また生きる喜びやゆとりにもつながることから、感謝の心は、豊かな人生を生きる大切な心得の一つといえるのではないのでしょうか。
 何事においても、ひとたび志を立てて事を始めた以上は、少々うまくいかないからとか失敗したからといって簡単にあきらめてしまってはいけない。ときには失敗し、志をくじかれることがあっても辛抱強く、地道な努力を重ねていくことが大切で、そうしてこそ初めて、物事を成し遂げることが出来るのではないのでしょうか。失敗というものの中には、成功するまでにあきらめてしまうところにその原因がある場合があると思います。今日あきらめてしまえば明日の成功は決してありえないのです。どんなに時代が変わろうとも私たちはこのまちに住むすべての人たちにとって良いまちになるまではこの動きを止めることはありません。
 感謝の心を忘れず自分たちが住み暮らす地域を共に支え合い、人とのつながりを築いていくことで結いの心が宿り私たちの愛する射水の未来を創って行けるはずです。